58歳、初めてのKindle出版。完成までに実際にやったこと、つまずいたこと。

100記事近く書いても、Kindleにならなかった。私が初めて一冊を完成させるまで。

2026年10月10日。私の初めてのKindle本『あの夜に見た景色は、始まりだった』が発売されました。50歳から始めたドラムと、そこから広がった出来事を書いたエッセイです。

初めての出版、と聞くと、原稿を書いてKindleに登録するまで順調に進んだように思われるかもしれません。ところが、そうでもなかったんです。

実は私は、これまで何度もKindleを作ろうとして、そのたびに途中で止まっていました。

何度も書こうとして、何度も止まった

最初にKindleを書こうと思ったのは、MIRAKANA BEATを始めるよりも前のことです。50歳からドラムを始めて、いろいろな出来事がありました。その経験を一冊にできたら、と考えていました。

Canvaで原稿のようなものを作ったこともあります。

旧Kindle原稿2点の一部(制作当時のもの・本文はぼかし加工)

でも、書いているうちに、ある疑問が頭をよぎるようになりました。有名人でもない私が、こんなことを書いて、いったい誰が読むんだろう?

そう思うと、だんだん手が止まってしまうんです。しばらくして、また書いてみる。また止まる。そんなことを繰り返していました。

noteの記事を集めれば、本になると思った

2025年12月、私はnoteを始めました。ドラムやバンドのこと、日常のちょっとした出来事など、そのとき書きたいことを書いているうちに、記事は100本近くになりました。

そこで考えたんです。これだけ記事があるのだから、選んでまとめれば一冊の本になるんじゃない?

AIにも相談しながら、本格的に構成を考え始めました。そのときのタイトルが『8年分のギフト』。ドラムを始めてからの8年間を、いくつかのテーマに分けて描く本にしようとしていました。

記事を選び、章立てを考え、並び順を変える。似た内容の記事をつなぎ、不要な部分を削る。章と章を自然につなぐための文章も作りました。実際、かなりの作業をしています。

『8年分のギフト』設計書より、タイトルと構成の見出し部分のみ

一度は、この本を発売できるつもりでいました。その頃、表紙用の写真を撮影してもらうために、地元の写真スタジオにも出かけました。自分のドラムセットを持ち込んで、ガーデンで撮影してもらったんです。

こんなお願いを快く受け入れていただけたことも、私にとって貴重な経験でした。

ガーデンでドラムを撮影した元写真

ところが、そこまで準備しても、私は本を完成させることができませんでした。

何度並べ替えても、何かがおかしい

noteの記事は、本を書くために順番どおり書いたものではありません。そのとき思い出したこと、書きたくなった出来事を、それぞれ独立した記事として書いていました。

何年も前の話があったかと思えば、最近の出来事もある。テーマごとにまとめても、読んでいるうちに時間があちこちへ飛んでしまうんです。

章の順番を変えても、記事をつなげても、どうしても私の中に違和感が残りました。ここまで作ったのに、また最初から? そんな気持ちもありました。

でも、せっかく出版するなら、自分が納得できる本にしたい。そこで思ったんです。

もう、楽して本を書くのはやめよう(笑)。

今までの記事を何とか一冊にまとめるのではなく、本当に書きたい出来事を、最初から自分の言葉で書こう。そう決めました。

それまで外していた「常磐道の夜」が、最初の一冊になった

『8年分のギフト』の設計書を見返すと、面白いことが書いてあります。noteの記事の中にあった「常磐道の夜」という話は、当時の本から外していたんです。

ところが、今回のKindleは、その常磐道の夜の出来事から始まります。仕事帰り、一人で車を走らせながら、頭の中で小さなライブを想像していた夜。そのときの想像と、その後に音楽仲間と出会って起きた出来事。

今回は、最初からその出来事を書こうと決めました。細かな章立てを先に作るのではなく、あの夜の景色から、実際に起きたことを思い出しながら書いていきました。

書いていると、その場にいた人たちの顔や会話まで浮かんできました。書くことが、楽しかったんです。

あれもこれも一冊に詰め込まなくていい。ほかにも書きたい出来事はあるけれど、それは次の本でもいい。そんなふうに考えられるようになりました。

旧設計書より、「常磐道の夜」の記載箇所のみ

こうして、初めて自分が納得できる原稿を書き上げました。でも、完成した文章をKindleとして発売するには、まだ作業があります。

原稿を書き上げてからも、まだひと騒動ありました(笑)。

ようやく、自分が納得できる原稿を書き上げました。

あとはKindleに登録すれば完成。そう思いたかったのですが、実際はここからも、なかなか大変だったんです。

Wordの原稿を縦書きにする。電子目次を作る。表紙や紹介文を整えて、KDPに登録する。

一つできたと思ったら、また分からないことが出てくる。調べて、試して、うまくいかなくて、別の方法でやり直す。そんなことを繰り返していました。

そして、ようやくAmazonに自分の本の予約ページができたと思ったら、著者名をクリックした先が、なんと別人のページ。

「えっ、どういうこと?」

本当に、最後までいろいろありました。

でも、今振り返ると、こういうところこそ、最初に知りたかったことだったんです。

Kindleの出版方法を調べれば、手順を説明した情報は見つかります。でも、その手順どおりに進めているつもりなのに、なぜかうまくいかない。画面に知らない項目が出てきたり、ようやく終わったと思った作業を、もう一度やり直すことになったり。

そんなとき、ほかの人はいったいどうしているんだろう?

私自身、何度もそう思いました。

だから今回は、完成までの手順だけでなく、途中で何が起きて、どう対応したのかも残すことにしました。

ここから先に書いたこと

ここからの有料部分は、私が実際に行ったKindle出版の作業記録です。

原稿の推敲からWordの縦書き、電子目次、表紙、KDP登録、予約注文、Amazon著者ページの修正依頼、そして発売後まで。実際のスクリーンショットを交えながら、6つの実務編にまとめました。

順調に進んだことだけではありません。どこで立ち止まり、何を試して、どうやって先へ進んだのか。今なら先に確認しておきたいことも含めて、できるだけ具体的に書いています。

AIに手伝ってもらった作業についても、任せたことと自分で確認したことを分けて紹介しています。掲載した指示例は当時の会話の再現ではなく、今回の経験から「今ならこう頼む」と考えて作ったものです。

購入してくださった方には、私が実際につまずいたところを中心にまとめた、A4・2ページの「Kindle出版前・最終確認シート」もお付けしています。

これは、出版の専門家が教えるマニュアルではありません。

50歳からドラムを始めた普通の主婦が、自分の経験を一冊の本にしようと思い立ち、何度も遠回りして、58歳でようやく出版するまでの記録です。

もし、これから初めてKindleを作るなら。

私が遠回りしたところは、できれば遠回りせずに進んでほしい。

もちろん、同じように進めれば必ずうまくいくという話ではありません。でも、私が何につまずき、どうやって先に進んだのかを知ることで、ご自身の出版で確認しておきたいことが見えてくるかもしれません。

そして、これから本を作ろうとしている方だけでなく、以前の私のように、書きかけの原稿をパソコンの中に眠らせている方にも、読んでいただけたらうれしいです。

58歳、初めてのKindle出版。

完成までに実際にやったこと、つまずいたこと。

実務編6章・出版前の最終確認シート付き

980円